輸血のお話⑪（輸血の副作用の種類）

Q：輸血の副作用による症状と、主な合併症について列挙してください。

　日本輸血・細胞治療学会からは以下の17項目の症状項目が出されています。

1. 発熱
2. 悪寒・戦りつ
3. 熱感・ほてり
4. 掻痒感・痒み
5. 発赤・顔面紅潮
6. 発疹・じんま疹
7. 呼吸困難（チアノーゼ、喘鳴、呼吸状態悪化など）
8. 嘔気・嘔吐
9. 胸痛・腹痛・腰背部痛
10. 頭痛・頭重感
11. 血圧低下（収縮期圧30mmHg以上の低下）
12. 血圧上昇（収縮期圧30mmHg以上の上昇）
13. 動悸・頻脈（成人で100回/分以上）
14. 血管痛
15. 意識障害
16. 赤褐色尿（血色素尿）
17. その他

　※赤文字は重症副作用の可能性が高く、詳細を確認する必要がある、とされています。

　
　副作用のうち、急性に生じるものと遅発性に生じるものがあり、それぞれ免疫学的な機序によっておこるものとそうでないものとで考えるとわかりやすいです。
　急性のものには、急性溶血性輸血副作用、発熱性非溶血性輸血副作用、アレルギー性輸血副作用（アナフィラキシー反応含）、TRALI（輸血関連性急性肺障害）、TACO（輸血関連性循環過負荷）、細菌感染、皮下の過敏性反応などがあります。
　遅発性のものには、遅発性溶血性副作用や輸血後GVHDなどがあります。