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2014年9月22日月曜日

輸血のお話⑥(新鮮凍結血漿)

Q:新鮮凍結血漿(FFP)とはどういうもので、その保存方法や投与基準、輸血の効果予測について説明してください。

 FFPはFresh Frozen Plasmaの略です。1袋(2単位)は供血400ml由来で容量は約240mlです。薬価は2単位制剤で17000円程度!
 前掲の写真のように薄い黄色をしています。−20℃以下で凍結保存され、その有効期限は約1年間と結構長いです。凍結している理由は、血漿の中には凝固因子を分解する酵素が含まれていて、十分に冷やされていないとその酵素が活性化してしまうからです。
 溶解するのは30〜37℃のぬるま湯の中でゆっくりと溶かします(20〜30分程度かかります)。溶かしたあとは3時間以内に使用しなければいけません。これは時間経過とともに活性を失う凝固因子があるからです。



 さて、それではどのような時にFFPを投与するのでしょうか?
 それは患者さんの凝固能、つまり出血を止める能力が低下している場合です!それを一般的には「凝固能低下」と呼びます。それではどういう時に凝固能は低下するのでしょうか?
 まずは先天性や後天性の血液性疾患があげられます。が、このブログは周術期を対象とした話を中心にすすめますので、そちらについては割愛しますm(__)m
 凝固因子は肝臓で合成されるため、肝炎や肝不全などにより肝機能に障害を受けると凝固能は低下します。肝機能障害では血小板合成も障害を受けるためさらに出血傾向が助長されます。
 また、ワーファリンやヘパリンに代表される抗凝固薬(俗に言う血をサラサラにする薬)でも文字通り凝固能は低下します。
 凝固能がどれくらい低下しているかを確認するために用いられる血液検査があり、それがPT(PT-INR)、APTT、血清フィブリノゲン値などです。心臓に機械弁が入っていたり、脳梗塞や心房細動の患者さんたちは、これらの値を定期的に測ってカラダの中に血栓(血のかたまり)ができないように厳密にコントロールされます。

 ではそれらを踏まえてどのような時、どの程度凝固能が低下しているときにFFPを投与するのでしょうか?
 具体的な検査値としては、血清フィブリノゲン濃度が100mg/dl以下、PT-INRが2.0以上(PTは基準値の1.5倍)、APTT延長が基準値の2倍以上の場合です。
 臨床的には、心臓手術や肝臓の手術などで微小出血がだらだらと持続する、DIC(別掲載します)などで出血傾向にある、肝移植などの肝臓疾患患者の手術、循環血液量に匹敵あるいはそれ以上の大量出血(何リットルもの出血)がある場合などです。また、ワーファリンを内服している患者さんが緊急手術が必要になった場合に、急速にその効果を打ち消すためにも用いられます。

 補足ですが、凝固因子の活性が通常時の20〜30%程度にまで落ちない限り、臨床的な出血傾向は生じないと言われています。循環血液量に匹敵するほどの出血があったとしてもその活性は30〜40%程度残存するといわれているため、あわててFFPを投与しなければならない理由はありません・・が、そんな出血がある場合には止血の目処が立っていないことが多いので、オーダーは早めにしないと間に合いません!!(溶かさないといけないし)
 ちなみに体重60kg程度のヒトでFFPを6〜7単位投与すると凝固因子の活性は30%程度、血清フィブリノゲン値は30mg/dl程度上昇します。


 

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