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2014年9月21日日曜日

輸血のお話③(T&S、交差適合試験)

Q:タイプ&スクリーン(T&S)と交差適合試験とはどのようなものですか?

 ある手術があるとき、ひょっとしたら少し輸血がいる程度の出血があるかもしれない、でも使わない可能性が高いな〜、といった時に、その患者さん専用の血液にしてしまうと、もしその手術で使わなかった場合にもったいないおばけが出そうですよね?他の患者さんで必要な人がいるかもしれないのに!



 というわけでそういう際にはタイプ&スクリーンという輸血準備方式をとります。もう少しくわしくいうと、術中に輸血する可能性が30%以下、あるいは輸血しても2単位以下の場合に行う血液型不規則抗体スクリーニング法です。
 事前に患者さんのABO式血液型と不規則抗体(後述)を調べておいて、不規則抗体が陰性(ない)場合には、後述する交差適合試験(クロスマッチ)を行わずに(省略し)、ABO型の適合性のみの確認で輸血を行うことができます。

 交差適合試験(クロスマッチ)とは血液型不適合輸血を防ぐために行われます。ABO型不適合輸血が行われると急性溶血性輸血副作用が生じてしまい、大変なことになります!ニュースにも出れるかもしれません・・・。この試験には輸血される赤血球と患者血清の反応を見る主試験と、患者血球と供血の血清との反応を見る副試験とがあります
 副試験は、受血者の血液型、供血の血液型及び不規則抗体の検査が正しく行われている場合には省略することができるとされています。主試験が陽性であれば絶対に輸血をしてはいけません!
 主試験陰性だが、副試験陽性であった場合にはその血液は使用しないのが望ましいが、緊急時には慎重に観察を行いながら投与する(主試験の判定を優先する)、とされています(使いたくないけど!)。


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