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2015年12月16日水曜日

麻薬のお話①:フェンタニル

Q:フェンタニルとはどういった薬剤ですか?



 オピオイドと言われる薬の1つで医療用麻薬に指定されています。麻酔科がたまに自分で打ってて問題になるやつです(^_^;)
 力価はモルヒネのなんと100倍です(なのでフェンタニル1Aは0.1mg、モルヒネ1Aは10mgです)。合成麻薬なのでモルヒネと違って自然界には存在しません。
 強力な鎮痛作用を持っているので、周術期や癌性疼痛の鎮痛に使用されます。投与経路は主に静注や硬膜外腔・くも膜下腔、癌性疼痛の場合は経皮投与(デュロテップパッチ)も行われます。静注した場合の最大効果は約5分後です。
 手術中の主な鎮痛方法はレミフェンタニル(アルチバ®)にとってかわられた感がありますが、術後鎮痛では主役(IV-PCA)です。心収縮力の抑制がほとんどないため循環動態への影響が少なく(若干徐脈傾向にはなりますが)、心臓手術で特に好まれて使用されています。
 副作用には急速投与による筋強直、悪心・嘔吐、尿閉などがあります。

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