静脈麻酔薬のお話①：プロポフォール

Q：プロポフォールについて説明してください。

　某カリスマミュージシャン（僕のミルク）や某大学での訴訟をきっかけに超有名な麻酔薬になってしまいましたね。ゾロ品もたくさんです。
　添加剤でもっとも多いのは大豆油（白い理由）。他には濃グリセリンや精製卵黄レシチンなど。なめると自動車整備工場の味がします(^_^;)。
　作用発現が早く、持続時間は短く、蓄積性がないということで現在の麻酔の主役の一角を担う薬剤です。ICUでも鎮静に用いられることが多いと思います（最近はプレセデックスに押され気味？）。
脳代謝率、脳血流ともに低下させ、頭蓋内圧を低下させるため、脳外科手術や脳出血・脳梗塞・頭部外傷患者での鎮静にもよく使用されます。
　最近のトピックはPRIS：propofol infusion syndrome（プロポフォール注入症候群）ですね。プロポフォール5mg/kg/hr以上を48時間以上投与した場合に発生するまれだが、致命的な症候群で小児だけでく成人でも発症の報告がある。またこれよりも少ない量でも発生したとの報告もあり、油断できません。詳細については別記します。