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2014年10月6日月曜日

輸血のお話⑯(遅発性溶血性反応)

Q:輸血後の遅発性溶血性輸血副作用について説明して下さい。

 DHTR(Delayed Hemolytic Transfusion Reaction)とも言います。赤血球輸血により産生された抗体が赤血球を破壊することにより起こります。初回輸血時に起こることはまれ(これは一次免疫反応です)で、この時の反応では重篤な反応を起こさないことが多いです。抗体は産生されるのに時間がかかる(2週間以上)ため気づかれないことがほとんどです。
 また、産生された抗体の力価は徐々に弱くなり、次に輸血を受けるころには不規則抗体検査で引っかからないことが多く、そのまま適合血を輸血(厳密にはこのときに不規則応対不適合輸血がおきている)してしまい、2〜10日後に溶血反応が起こります。この赤血球の破壊はおもに脾臓などの網内系と呼ばれる部位で起こります(血管外溶血と言います)。

 症状・所見としては、予期せぬ進行する貧血、発熱、黄疸(破壊された血球からもれたビリルビンによる)が主で、血色素尿を認めることもありますが、腎不全に至ることはまれです
 治療は特に必要としません。貧血が強い場合には検出された抗体に対応する抗原陰性の赤血球を輸血します。


 

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