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2014年10月2日木曜日

輸血のお話⑬(発熱性非溶血性、アレルギー性)

Q:発熱性非溶血性輸血副作用とアレルギー性輸血副作用について説明してください。

 発熱性非溶血性輸血副作用(FNHTR:Febrile Non-Hemolytic Transfusion Reaction)は輸血関連合併症の中で最多とも言われ、輸血により体温が1℃以上上昇した場合を言います。頻回の輸血や妊娠歴のある患者で多く見られるようです。
 この発熱は軽度〜高熱までさまざまで、発生時間も輸血直後から数時間後とさまざまです。その他の症状としては、悪寒、悪心・嘔吐、頻拍などがあります。発熱自体はアセトアミノフェンなどの解熱剤に反応し、重篤化することはないですが、前述の急性溶血性輸血副作用や細菌感染などによるものの初発症状であることもあるため、観察が重要です。
 対処としては輸血の中止や解熱剤の使用などの対症療法を行います。また、一度FNHTRを起こしたとしても、次回の輸血で必ずしもおこすとは限らないようです。




 アレルギー性輸血副作用は1〜3%に発症すると言われています。患者の抗体と血液製剤の血漿タンパクとの反応により起こります。
 症状としては掻痒感を伴なうじんま疹、紅斑が多く、発熱を伴うこともあります。まれに気管支痙攣やアナフィラキシーを起こすことがあるため注意が必要です。
 対処としては輸血の中止、抗ヒスタミン薬の投与、症状が強い場合には副腎皮質ステロイドの投与を行います。アナフィラキシーやそれに伴なう気道浮腫、血圧低下などを起こした場合はエピネフリンの使用や呼吸循環管理が必要となりますが、これに関しては後日別掲します。
 

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